【実話】お金があっても幸せとは限らない話※小説風

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※これは実話です。

 小学6年生の時、家族旅行の帰り道。

 私は車の助手席に座り、父が運転していた。
 父は喋るのが好きなので、色々な話をしながら帰路についていた。

 ちなみに私の出身は大阪だ。
 帰り道の途中、大国町という場所を通った。通ったんだと思う。
 小学生の頃の記憶なので曖昧だ。だけど大国町を通ったと確信している。

 何故なら――

「モリ太郎」
「何? 父ちゃん」
「パパの知り合いが大国町ってところに住んでたんだよ」
「ふ~ん」

 ちなみに、父は革関係の会社の社長だ。
 小さな会社で、一人で切り盛りしているが大儲けもしないが大損もしない会社だ。

「その知り合いは、頭が悪い男でな」
「ははは」
「だけど、親の仕事を継いでな、もの凄い金持ちだったんだ。
 大国町で一番の金持ちだったんだよ。
 いい革をいっぱい持ってたからな、上手い事話して安く買ってたんだ」
「ふ~ん」

 大国町一の金持ちっていうのが、子供のころはどれぐらい凄いかわからなかった。
 だけど、今になって思えば本当の大金持ちだったんだな。

「よく韓国に行ってな、カジノが好きだったんだよ。
 パパも一緒に行ったことがあるんだよ」
「カジノか~」
「カジノに行くとな、支配人が出てくるんだよ。
 『お待ちしてました、■■様』ってな。
 ■■が言ってたけど、『支配人が出てくるのは俺を含めて三人だけなんだ』ってさ」

 やっぱり子供のころは理解できてなかったが、支配人が出てくるぐらいだ。
 つまり――

「■■は、ものすごい金額を賭けていたからな。
 最高は一日で1000万円勝ったらしい」
「へえ~! 凄いね!」
「でも、最大2000万円一日で失ったそうだ」
「え、トータルでは?」
「ものすごい負けてるに決まってるだろ。
 カジノなんて胴元が勝つに決まっているんだから」

 父は笑っていた。
 ■■はカジノにとって非常にオイシイ客だったのだ。

「■■はカジノの快感にのめりこんでいたんだな。
 やめれなくなってたんだって」

 父は基本的に明るい。喋り口調も明るい。

 だけどなんだろうか、この日はちょっと変な感じがした。

「■■はどんどん親から継いだ金を使っていってな~。
 ゴルフの会員権とかホテルの会員権もよ~買ってたわ」

 小学6年生にはよくわからない話だった。
 まあ、子供心に金遣いが荒い人だったんだと思った。

「その後バブルで大損してな~、そのまま倒産したんだよ」
「ふ~ん」

 時刻は20時ぐらい。
 車の中は暗いが、何故だろうか、より暗くなったように感じた。

「色々整理してる時に、何度か会ったけどな~あ~ちょっとマズいかな~と思ったんだ。
 それでな~、数日後お風呂で手首切って自殺したんだ」

 ゾワっとした。
 会ったことも無い■■さんだが、気分的には知り合いが自殺したような気分だ。

 助手席の足元は真っ暗だが、何故か怖くなり体育座りしたのを覚えている。

「人生に絶望したんだろうな~」

 

 お金があっても幸せとは限らない話――終わり

まとめ

多分小学6年生の時の実話です。
結構ディープな話を、さらっと車中で話してくれましたが衝撃的だったので覚えています。

念のため最近この話を父に聞きなおしました。
「あれ? そんな話したっけ?」と驚いてましたね。

まあ20年以上も前の話を鮮明に覚えていたんでびっくりしたんでしょう。

さて、■■さんは本当の大金持ちでした。

カジノの話も本当ですし、大学は裏口入学したそうです。
※本人が言っていたそうです

産まれた時からお金持ちで、お金に不自由したことが無い男だったと思います。

だけど、やっぱり苦労したことも無かったんでしょうね。
会社が倒産したことにより、再起不能だと感じ、自ら命を絶ったのだと思います。
絶望だったのでしょう。

 

タイトルの通り、お金があっても■■さんは全く幸せそうではありません。
カジノにハマるのもよくわかります。
他に刺激的なことが無かったのでしょう。

私も稼ぎたい欲求は強いですが、その反面楽して儲けちゃうと後で躓くんだろうな~となんとなくわかります。

とりあえずブログで収益化出来るように、もっと頑張ろうと思いますが……
たくさん躓くでしょうね(笑)

ふと思い出したので、ブログにしてみました。
あまり参考にならないかもしれませんが、誰か一人にでも何か届けばいいかな~と思います。

以上です、読んでいただきありがとうございました!

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